退職金はいくらもらえる?もらえない会社もある|7回辞めた人の実態

退職金、もらえない会社もある | やめどき研究所

私は7回転職していますが、退職金をもらったことが一度もありません。

そもそも、退職金の制度がある会社に勤めたこと自体が、一度もないんです。

「え、それっておかしくないの?」と思われるかもしれません。でも、正直に言うと、私は退職金の制度や金額について、会社に確認したことも、自分で調べたこともありませんでした。辞めることで頭がいっぱいで、退職金のことまで気が回らなかった、というのが本音です。

もしあなたが今、「うちの会社、退職金っていくらもらえるんだろう」「そもそも制度あったっけ」と思っているなら、それは決して珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。私自身、7回もそのタイミングを経験しておきながら、一度も確認せずに来てしまったくらいですから。

この記事では、退職金の相場や「もらえない」ケースの正体を、私の実感も交えながら整理していきます。


目次

そもそも退職金は「もらえて当たり前」のものではない

まず前提として知っておいてほしいのは、退職金の支払いは、法律で会社に義務付けられているものではないということです。

給料とは違い、退職金は会社が就業規則(退職金規程)で自主的に定めるものです。だから、極端な話、「うちには退職金制度がありません」という会社があっても、それ自体は違法ではありません。

実際、厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付制度がある企業の割合は**74.9%**でした。5年前の前回調査では80.5%だったので、割合はやや下がっています。逆に言えば、約4社に1社は、退職金制度そのものがないという計算になります。

しかも、この割合は企業の規模によってかなり差があります。同じ調査の企業規模別の数字は、次の通りです。

従業員規模退職給付制度がある企業の割合
1,000人以上90.1%
300〜999人88.8%
100〜299人84.7%
30〜99人70.1%

私が転職してきた会社は、決して大企業ばかりではありませんでした。振り返ると、「制度がなかった」のも、ある意味自然な結果だったのかもしれません。

ただし、ここは大事なところですが、制度がある場合は話が別です。就業規則や退職金規程に支給条件が定められている退職金は、労働基準法上の「賃金」として扱われます。つまり、規定に沿った金額を理由なく支払わなかったり、勝手に減額したりするのは、違法になり得ます。

「退職金制度がない」ことと、「制度はあるのに払ってもらえない」ことは、まったく別の問題として区別して考える必要があります。


退職金の相場は「一律いくら」では語れない

ここもよく誤解されるところですが、退職金の相場は、勤続年数・学歴・企業規模・辞め方(自己都合か会社都合か)によって、数百万円単位で変わります。「相場は〇〇万円です」と一言で言い切れるものではありません。

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」で確認できる代表的な数字が、これです。

  • 大学卒・勤続35年以上で定年退職した場合の平均退職給付額:2,037万円(前回調査の2,173万円から約136万円の減少)

一方で、退職金の相場を紹介する調査は複数あり、それぞれ対象が異なります。たとえば中央労働委員会の「賃金事情等総合調査」は、資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上の大企業380社を対象にしたもので、中小企業の実態は反映されていません。中小企業の相場を知りたい場合は、東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情」など、別の調査を見る必要があります。

ネット上で見かける「退職金の相場は〇〇万円」という数字は、どの調査の、どの企業規模の、どの条件を切り取ったものなのかを確認しないと、自分の状況とかけ離れた金額を基準にしてしまうことになります。

はっきりしているのは、制度がある企業の割合も、平均支給額も、以前より下がっているということです。「昔はもっともらえた」という感覚は、あながち間違いではなさそうです。

私自身は、これだけの調査結果を今回初めてきちんと見ました。7回辞めてきた当事者として恥ずかしい話ですが、正直、これまで「相場を知らないまま辞めていた」という自覚が、この記事を書いてよりはっきりしました。


「もらえない」にも、合法な理由と、そうでない理由がある

退職金が「もらえない」と一口に言っても、中身は大きく2つに分かれます。

ひとつは、そもそも制度がない、または条件を満たしていないケース。

前述の通り、制度自体がない会社では、退職金をもらう権利そのものが発生しません。また、多くの会社では就業規則で「勤続3年以上」といった最低条件を定めていることが多く、それに届いていない場合も、支給対象外になることがあります。これは違法とは言えません。

もうひとつは、就業規則に規定があるのに、正当な理由なく支払われないケース。

こちらは前述の通り、労働基準法上の「賃金」として保護されるべきものが支払われていない状態にあたる可能性があります。

なお、懲戒解雇のような場合に退職金を不支給・減額とする規定を設けること自体は、法律上問題ないとされています。ただし、規定があるからといって、どんな場合でも不支給が認められるわけではなく、実際に不支給が認められなかった裁判例もあります。このあたりは個別の事情によって判断が変わるところなので、「規定に書いてあるから絶対払われない」と決めつけず、気になる場合は確認したほうがよさそうです。

もう一つ知っておいてほしいのが、時効です。退職金を請求できる権利には時効があり、労働基準法上は行使できる時から5年間とされています。「辞めてしばらく経ったから、もう無理だろう」とあきらめる前に、まずは確認してみる価値はあります。


もし「もらえるはずなのに、もらえていない」と思ったら

ここは、私自身が経験していない領域なので、一般的な情報として整理します。

まず最初の一歩としては、自分の会社の就業規則(退職金規程)を確認することです。規程自体が存在しない場合は、そもそも「法律違反がある」とは言いにくく、労働基準監督署への相談も難しいとされています。

規程があるのに支払われていない場合は、労働基準監督署に相談するという選択肢があります。ただし、労基署ができるのは会社への調査や行政指導までで、法的な強制力はありません。会社があなたの代理人として交渉してくれるわけでもありません。

会社との交渉や、法的な請求を進めたい場合は、弁護士に相談するのが基本的な流れになります。 労働審判や訴訟といった手段は、弁護士でなければ代理して進めることが難しい領域です。この記事では制度の全体像までしかご案内できませんが、「請求できるかどうか、実際にいくら請求できるか」を具体的に知りたい場合は、労働問題に詳しい弁護士への相談を検討してみてください。

なお、退職代行を使う場合も、未払い賃金や退職金の請求まで対応できるのは弁護士が運営するサービスに限られます。労働組合運営でも交渉自体は可能ですが、対応範囲は事案によって変わります。運営形態ごとの違いは、こちらの記事で整理しています。

関連記事:「【業者比較】退職代行の評判・口コミ|料金と運営元で選ぶ失敗しない選び方」


よくある不安・Q&A

Q. 退職金制度がある会社かどうか、入社前に確認する方法はありますか?

求人票や就業規則に記載があるはずです。転職活動中であれば、面接や条件確認の場で聞いても失礼にはあたりません。私は一度もそれをやってきませんでしたが、今振り返ると、確認しておけばよかったと思う項目のひとつです。

Q. 自己都合と会社都合で、退職金の金額は変わりますか?

一般的には、会社都合退職のほうが自己都合退職より優遇されるケースが多く見られます。ただし、これも会社ごとの規程によるので、必ずそうなるとは言い切れません。なお、自己都合と会社都合の違いは、失業保険の受給条件にも影響します。

関連記事:「自己都合退職でも失業保険は早くもらえる?2025年改正後の給付制限と確認ポイント」

Q. 退職代行を使って辞めた場合、退職金はもらえなくなりますか?

退職代行の利用自体が、退職金の支給・不支給に直接影響するわけではありません。退職金は、あくまで会社の就業規則に定められた条件によって決まります。ただし、この点も個別の会社規程によるため、不安がある場合は退職前に規程を確認しておくと安心です。

Q. 退職金がないと、辞めた後の生活はどうなりますか?

退職金がなくても、失業保険や、条件によっては傷病手当金など、使える制度はあります。辞めた後のお金の流れ全体については、別の記事で整理しています。

関連記事:「複数回転職して分かった『辞めた後』のリアル|お金・後悔・次の動き」


まとめ:まず、自分の会社に制度があるかを知ることから

7回辞めてきて、退職金を一度ももらったことがない私が言うのもおかしな話ですが、今なら思います。「知らないまま辞める」のと、「知った上で辞める」のとでは、後悔の質が違います。

退職金は、もらえるかどうかも、いくらもらえるかも、会社によって本当にバラバラです。だからこそ、「相場はこれくらい」という数字を鵜呑みにするより先に、まずは自分の会社の就業規則を確認してみることをおすすめします。もし規程があるのに支払われていない、という状況が見えてきたら、そこから先は労基署や弁護士に相談する、という次のステップに進めばいいのだと思います。

急いで結論を出す必要はありません。私のように「確認しないまま辞めてしまった」人間だからこそ言えることですが、辞める前のこの一手間は、後から振り返ったときにきっと意味を持ちます。


この記事は、運営者ポン太の実体験をもとに書いています。法律や制度に関する内容は執筆時点の情報であり、個別のケースについては専門家や公的機関にご確認ください。また、当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

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この記事を書いた人

やめどき研究所 運営者。HSP・内向型の40代。不動産営業・運送・自動車工場など7回の転職を経験。3年前に適応障害の診断を受け、無理して合わせない働き方を模索中。「辞めたいのに辞められない人」の最初の一歩を応援します。

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