辞めたい理由1位が給料からWLBへ|限界を辞めどきにする判断基準

ワークライフバランスの限界で辞めるか迷う人に向けた、離職理由のデータと辞めどきの判断基準の解説
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「給料はそこそこなのに、辞めたい」と感じているなら

残業はそこまで多くない。給料も、世間並みにはもらっている。それなのに、なぜか毎朝会社に行くのがつらい。休日もどこか気が休まらない。

そんな感覚、ありませんか。

私はこれまで7回、転職してきました。不動産営業、運送、自動車工場、AI業界と、業種もばらばらです。お金のために頑張っていた時期もありました。でも、稼げる見込みがないと感じたときや、人間関係があまりにも悪くなったときは、我慢よりも辞める方を選んできました。

「給料のためなら多少のことは我慢すべき」という感覚を、どこかで持っている人は多いと思います。でも最近の調査を見ると、その前提が少しずつ変わってきているようです。

この記事では、「辞めたい理由の1位が給料からワークライフバランスに変わった」という調査の話と、「自分のWLBの限界をどう見極めるか」という判断基準、そして「辞めると決めたときの、現実的な次の一手」をお伝えします。

なぜ今、”辞めたい理由”が給料からワークライフバランスに変わったのか

まず、今回のタイトルの根拠になっているデータを紹介します。

人材サービス会社のランスタッドが2026年6月に発表した「エンプロイヤーブランドリサーチ2026」日本版によると、日本の働き手が会社を辞める理由として、「ワークライフバランスを改善するため」が33%で初めて1位になりました。2位は「仕事内容への興味の欠如」と「悪い職場環境」(いずれも32%)で、これまでトップだった「不十分な報酬」は31%で4位でした。

この調査は2026年1月、日本国内の18歳から65歳までの学生・就業者・非就業者4,464人を対象に行われたオンライン調査です。世代別では、ミレニアル世代でワークライフバランスを理由に挙げる人が36%と多く、Z世代はむしろ報酬への関心が高いという違いも出ています。

同じランスタッドが2026年10月に公表した34の国と地域、16.6万人以上を対象にしたグローバル調査では、世界全体の離職理由の1位は「不十分な報酬」(39%)で、ワークライフバランスは2位(35%)でした。報酬がトップにならなかったのは、日本を含むアジア太平洋地域だけだったとされています。

ここは正確に書いておきたいのですが、厚生労働省の公式統計「雇用動向調査」で「離職理由の1位がワークライフバランスになった」という結果が出ているわけではありません。令和7年の調査(2026年8月公表)で、転職した人が前の仕事を辞めた理由を見ると、男性の1位は「給料等収入が少なかった」(9.9%)、女性の1位は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(12.9%)で、男女で違いがあります(「その他の個人的理由」を除く)。

つまり「1位が入れ替わった」という話は、ランスタッドという民間企業の調査の結果であり、国の統計とは別のものです。それでも、働き方を重視する流れを示す調査は、ほかにもあります。

Job総研が2024年2月に行った「2024年 転職条件の実態調査」(社会人603人)では、65.8%が、転職先を選ぶときに給料より「働き方」を優先すると答えていました。年代別では20代が71.1%で最も高くなっています。

さらに、マイナビの「正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)」では、20代から50代の正社員のうち46.7%が「静かな退職」(必要最低限の仕事はするが、それ以上の熱意や貢献はしない働き方)をしていると答えました。前年より2.2ポイント増えています。パーソルイノベーションが2025年7月に公表した調査では、「静かな退職」に共感する理由の1位が「ワークライフバランスを重視したい」(45.3%)でした。

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辞めるという決断までいかなくても、心の中で仕事との距離を取り始めている人が、これだけいるということです。給料だけでは、人を会社につなぎとめにくくなってきているのかもしれません。

あなたの「辞めたい」はどのレベル? WLB限界の判断基準

とはいえ、「なんとなく疲れた」だけで辞めるかどうかを決めるのは、後悔のもとにもなります。ここで、辞めどきを考えるうえでの、現実的な判断基準をいくつか挙げておきます。

1つ目は、客観的な労働時間の基準です。

厚生労働省の脳・心臓疾患の労災認定基準では、発症前1か月に100時間、または発症前2〜6か月の平均で月80時間を超える時間外労働があると、業務と発症との関連性が強いと評価されます。月80時間は、1か月に20日働くとすると、1日あたり約4時間の残業が続いている水準です。もしこれに近い生活が何か月も続いているなら、それは「頑張りが足りない」話ではなく、働き方そのものに無理がある状態だと考えた方が現実的です。

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2つ目は、有給休暇が取れているかどうかです。

厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」によると、労働者1人あたりの年次有給休暇の取得率は66.9%で、昭和59年以降で過去最高でした。付与された日数のうち、平均で約3分の2が取得されている計算です。それでも「有給なんてとても言い出せない」という職場にいるなら、それは平均よりかなり厳しい環境にいる可能性があります。

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3つ目は、稼げているかどうかと、人間関係です。

私自身の経験で言えば、お金のために頑張れている間は、まだ続けられました。辞める方を選んだのは、「このまま頑張っても稼げる見込みがない」と感じたときと、「人間関係があまりにも悪くなった」ときです。給料と人間関係、どちらか一方だけなら、まだ我慢できることもありました。でも両方が崩れたときは、我慢より辞める方を選んできました。

4つ目は、「このままだと心身がもたない」という感覚です。

これが一番わかりにくく、同時に一番大事な基準だと思っています。私自身、「このままだと心身がもたない」と限界を感じてから、実際に辞めると決めるまでに半年くらいかかりました。その間、誰にも相談しませんでした。今振り返ると、あの半年は「大丈夫、まだ頑張れる」と自分に言い聞かせていただけの時間だったと思います。

もし今、同じような感覚があるなら、一人で抱え込み続ける必要はありません。次の章で、辞める前に試せることと、相談先についてお伝えします。

辞める前にできること

限界を感じたからといって、いきなり退職届を出す必要はありません。まずは、次のことを試す余地があるか確認してみてください。

社内の制度を確認する。 フレックスタイム、時差出勤、リモートワーク、時短勤務など、使われていないだけで存在する制度があるかもしれません。就業規則を見直したり、人事に問い合わせたりしてみてください。

上司や人事に、具体的な数字で相談する。 「しんどいです」ではなく、「先月の残業は◯時間でした」「有給は◯日しか取れていません」というように、具体的な記録を持って話すと、感情論で片付けられにくくなります。記録を残しておくこと自体、後で自分を守る材料にもなります。

心身の不調が出ているなら、まず休む・相談することを優先する。 不眠、動悸、涙が止まらない、朝どうしても起き上がれないといった症状が出ているなら、辞める・辞めないを考えるより先に、心療内科やかかりつけ医に相談することをおすすめします。厚生労働省の「こころの耳」や、お住まいの地域の総合労働相談コーナー(都道府県労働局)では、無料で相談できます。疲れ切っているときは判断力そのものが落ちていることがあるので、まず休むという選択肢を、自分に許してあげてください。

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一人で抱えず、誰かに話す。 私は半年の間、誰にも相談しませんでした。家族でも、友人でも、信頼できる同僚でも構いません。話すことで、自分の状況を少し離れたところから見られるようになることもあります。

これらを試した上で、それでも状況が変わらない、あるいは心身がすでに限界に近いなら、次は「辞めた後のこと」を具体的に考える段階です。

それでも辞めると決めたときの次の一手

辞めると決めたら、いきなり退職を切り出す前に、次の仕事の当てをある程度つけておくと、気持ちにかなり余裕が生まれます。

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ここで気をつけたいのが、「辞めてもまた同じことになるのでは」という不安です。求人票に「残業少なめ」「有給取得率◯割」と書かれていても、実際の職場の空気までは分かりません。転職エージェントを使うと、求人票だけでは分からない職場の様子を、担当者に聞けることがあります。面接で、平均の残業時間や有給の取りやすさを具体的に質問するのも一つの方法です。

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もし今の会社に「辞めたい」とすら言い出せない、話を聞いてもらえる空気がないという状況であれば、退職代行という選択肢もあります。ただし、ここは注意が必要です。退職の意思を伝えるだけなら民間業者でも対応できますが、有給消化や退職日の交渉になると話は別です。弁護士法72条は、弁護士ではない人が報酬を得る目的で法律事務(交渉など)を扱うことを禁じており、民間業者が交渉まで行うと、この規定に触れるおそれがあります。労働組合が運営する退職代行であれば、憲法28条と労働組合法に基づく団体交渉権があるため、会社との交渉もできます。この選択肢を検討するなら、弁護士運営か労働組合運営のものを選んでください。

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よくある不安・Q&A

Q. 給料を下げてでもWLBを優先するのは、甘えでしょうか。

甘えではないと思います。ランスタッドの調査が示すように、働き方を重視して会社を選び直す人は増えています。あなた一人の弱さの問題ではありません。ただし、生活が立ち行かなくなるほどの収入減は別問題なので、転職前に生活費の見通しは立てておいてください。

Q. 今の会社でWLBを改善できるか、どう見極めればいいですか。

一つの目安は、「同じことを言っている先輩や同僚が、過去に状況を変えられたことがあるか」です。前例が一度もないなら、仕組みそのものに無理がある可能性があります。逆に、声を上げて制度が変わった例があるなら、まだ相談の余地があるかもしれません。

Q. 転職しても、また同じような職場に当たったらどうしよう。

完全には避けられませんが、リスクは減らせます。求人票の数字(残業時間、有給取得率)だけでなく、面接で「実際の平均残業時間」「有給の取りやすさ」を具体的に質問すること、転職エージェント経由であれば担当者に職場の様子を聞いておくことが有効です。

Q. 心身がすでにしんどいとき、何から始めればいいですか。

辞める・辞めないを決める前に、まず心療内科やかかりつけ医、「こころの耳」や総合労働相談コーナーなど、第三者に話してみてください。判断は、少し体力が戻ってからでも遅くありません。

まとめ:一人で抱え込む時間を短くする

給料のために我慢する時代から、ワークライフバランスを大切にする時代へ。調査の上でも、その変化は出てきています。

ただ、だからといって「今すぐ辞めるべき」という話ではありません。私自身、限界を感じてから辞めると決めるまで半年かかり、その間は誰にも相談しませんでした。同じように一人で抱えている人には、その時間をできるだけ短くしてほしいと思います。

まずは、社内でできることを試す。それでも難しければ、心身の状態を誰かに話す。その上で、辞めると決めたなら、次の仕事の当てを具体的に探し始める。焦らず、でも抱え込みすぎず、あなたのペースで一歩ずつ進めていってください。


この記事は、運営者ポン太の実体験をもとに書いています。法律や制度に関する内容は執筆時点の情報であり、個別のケースについては専門家や公的機関にご確認ください。また、当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

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この記事を書いた人

やめどき研究所 運営者。HSP・内向型の40代。不動産営業・運送・自動車工場など7回の転職を経験。3年前に適応障害の診断を受け、無理して合わせない働き方を模索中。「辞めたいのに辞められない人」の最初の一歩を応援します。

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