「人手不足」と言われる会社で働いているのに、給料はいつまでも上がらない。そんな状況に、モヤモヤしていませんか。
私も、転職してきた会社で同じことを感じてきました。「人が足りない、人が足りない」と言われながら、給料は据え置きのまま。求人は出すのに、既存の社員の待遇は変わらない。その矛盾に、何度も首をかしげてきました。
この記事では、「人手不足なのに給料が上がらない」という状況がなぜ起きるのか、そしてそれをいつ辞めどきと判断すればいいのかを、私自身の経験も交えながら整理していきます。
「人が足りない」と言われるのに給料が上がらないのはなぜか
人手不足と賃上げは、本来セットで語られるはずのものです。人が足りないなら、既存の社員を手放さないように待遇を上げる。新しい人を呼び込むために条件を良くする。そう考えるのが自然です。
ですが、現実の職場では、そうならないことが珍しくありません。
これは、あなたの働き方や能力の問題ではなく、会社の仕組みの問題であることが多いです。いくつかの理由が重なっているケースが見られます。
- 人件費の原資(昇給や採用のために使えるお金)がもともと限られている
- 「人手不足」は現場の実感であって、経営側の優先順位が低い
- 既存社員の給料を上げるより、安く雇える人を探す方が会社にとって楽だと判断されている
- 評価制度自体がなく、何をすれば給料が上がるのかが誰にも分からない
こうした会社では、何年頑張っても「人手不足だから」という理由だけで仕事は増え、給料は増えない、という状態が続きやすくなります。
給料が上がらない不満を、3つに分けて見てみる
「給料が安い」という不満は、ひとまとめにされがちですが、実はいくつかの種類に分けられます。自分がどこに引っかかっているのかを整理すると、次に何をすればいいかが見えやすくなります。
1. 絶対額が低い
そもそもの金額が、同じ仕事量・同じ業界の相場と比べて明らかに低い。
2. 決まり方に納得できない
頑張っても頑張らなくても給料が変わらない。評価の基準が誰にも説明されない。上司の気分で差がつく。
3. 将来の伸びが見えない
今の給料そのものより、「このままこの会社にいても、何年後にどうなるのか」が想像できない。
私自身、数年間同じ会社にいても給料が上がらず、むしろ下がったことがありました。そのとき感じたのは、「金額が低い」こと以上に、「この会社にいても、この先も変わらないんだな」という、将来への見通しが立たなくなったことでした。これが、その会社に見切りをつける決め手になりました。
もしあなたが今、同じように「この先も変わらなさそうだ」と感じているなら、それは単なる不満ではなく、判断のための大事なサインかもしれません。
手取りは同じ、物価だけ上がっていく感覚
給料が上がらないこと自体に加えて、ここ数年つらいのは、物価だけが上がっていくことです。
私も、スーパーで買い物をするたびに、同じものがだんだん高くなっていくのを感じます。光熱費の請求書を見て、思わず「これはまずい」と感じたこともありました。給料という「入ってくるお金」は変わらないのに、生活費という「出ていくお金」だけが増えていく。これは、数字の問題というより、生活の実感としてじわじわ効いてきます。
数字でも、この感覚は裏づけられています。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、物価の上昇分を差し引いた2025年の実質賃金は前の年より1.3%減り、4年連続のマイナスでした。給料が上がった会社でも、物価の上がり方に追いついていない人が多いということです。
もし今、あなたも同じような感覚があるなら、それは「気のせい」ではありません。入ってくるお金と出ていくお金のバランスが崩れている、という具体的な状態として捉えていいと思います。
このバランスの崩れが一時的なものか、この先も続きそうなものかを考えることが、辞めどきを判断する手がかりになります。
辞める前に、社内でできることとその限界
転職という結論を出す前に、社内でできることがないかを考えるのも大切な一歩です。
- 昇給や評価制度について、上司や人事に率直に聞いてみる
- 自分の仕事量や成果を、具体的な記録として示してみる
- 異動や職種変更で、評価のされ方が変わる可能性がないか確認する
ただし、ここで知っておいてほしいのは、交渉や相談をしても変わらない会社は少なくない、という現実です。評価制度そのものが整っていない会社では、個人がどれだけ頑張って声を上げても、仕組みが変わらなければ給料は変わりません。
私自身も、何度か「このやり方を変えれば」と思って行動したことがありましたが、仕組みそのものに手が入らない会社では、結局状況は変わりませんでした。社内でできることを試すのは意味がありますが、それでも変わらないなら、それ自体が一つの答えだと思います。
「ここにいても給料は上がらない」と見切りをつける判断基準
辞めどきをどう判断すればいいか、迷う方は多いと思います。私自身の経験も踏まえて、いくつかの目安を挙げます。
数年単位で、給料がほとんど変わっていない
1年や2年ではなく、3年、5年といったスパンで振り返ってみてください。昇給らしい昇給がなければ、それは一時的な停滞ではなく、会社の構造的な傾向だと考えられます。
「人手不足」と「待遇改善」が、言葉だけで結びついていない
人が足りないと言われ続けているのに、求人広告の条件が何年も変わらない、既存社員への待遇改善の動きがない場合、会社側に本気で待遇を上げる気がない可能性があります。
社内で改善を試みても、仕組みそのものが変わらない
相談や交渉をしても、評価制度や給与体系自体に動きがないなら、個人の努力では超えられない壁がある場合があります。
物価の上昇に対して、生活が明らかに苦しくなっている
一時的な出費ではなく、毎月の生活費が継続的に重くなっているなら、待っていても状況が改善する見込みは薄いかもしれません。
これらのうち複数に当てはまるなら、今の会社に残ることで状況が良くなる可能性は低いと考えてよいと思います。
どうしても言えない時の選択肢
「辞めたい」と思っても、人手不足な職場だからこそ、「自分が辞めたら迷惑がかかる」と感じて言い出せない人も多いと思います。私もその気持ちは何度も経験してきました。
ただ、会社の人手不足は、本来あなた個人が抱え込む問題ではありません。待遇を変える責任は、会社側にあります。
どうしても自分の口で言い出せない場合は、退職代行を使うという選択肢もあります。利用を検討する場合は、弁護士が運営しているか、労働組合が運営しているサービスを選ぶことをおすすめします。会社との交渉や、場合によっては未払いの給与・退職条件に関するやりとりが必要になる可能性があるためです。
よくある不安・Q&A
Q. 給料が安いという理由だけで辞めるのは、甘えでしょうか。
そんなことはありません。給料は生活の基盤であり、仕事を続けるうえでの大切な条件の一つです。給料への不満を理由に次の一歩を考えるのは、自然な判断です。
Q. 転職して、本当に給料が上がるのか不安です。
転職すれば給料が上がるとは言い切れません。ただ、今の会社に留まり続けても給料が上がる見込みが薄いなら、他の環境を検討すること自体には意味があります。転職活動の中で、自分の経験やスキルが他社でどう評価されるのかを知ることも、今の状況を客観的に見る手がかりになります。
Q. 辞める前に、もう少し我慢した方がいいのでしょうか。
我慢すること自体が悪いわけではありません。ただ、「いつまで我慢すれば給料が上がるのか」が誰にも分からない状態が続いているなら、それは我慢のしどころではなく、環境を変えるしどころかもしれません。
Q. 今のうちに転職活動だけ始めておくのはどうでしょうか。
在職中に情報収集や転職活動を始めておくのは、落ち着いて判断するための有効な方法です。すぐに辞める決断をしなくても、自分の市場価値や他社の条件を知っておくことで、今の会社に残るか離れるかを、より納得感を持って選べるようになります。
まとめ
「人手不足なのに給料が上がらない」という状況は、あなたの頑張りが足りないからではなく、会社の仕組みの問題であることが多いです。
物価が上がり、生活費だけが重くなっていく中で、何年経っても給料が変わらないなら、それは一時的なつまずきではなく、その会社の構造的な傾向だと受け止めてもいいと思います。
すぐに大きな決断をしなくても大丈夫です。まずは、数年単位で自分の給料の変化を振り返ってみること、社内で改善の余地がないか確認してみること、そして少しずつでも外の情報に触れてみること。そこから、あなたにとっての辞めどきが、自然と見えてくるはずです。
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