就活生の8割が『転職前提』で入社する時代|『とりあえず3年』はもう古い?早期に動く判断と準備

「とりあえず3年」はもう古い? | やめどき研究所

「石の上にも三年」「最低3年は働かないと根性なしと思われる」。就活中や入社したばかりの頃、こんな言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

私も、20代の頃に勤めていた不動産会社で、まさにこの言葉に縛られていました。仕事が合わない、辞めたいと思っているのに、「3年は我慢するもの」という空気に押しつぶされて、無理に居続けた時期があります。

当時、辞めたいと相談した上司や周りからは、こう言われたのを今でも覚えています。

「3年も辛抱出来ないやつが他の会社行って務まるか」

かなり刺さりました。自分に根性がないんじゃないか、社会人失格なんじゃないか。そう思い込みそうになったんです。

でも、今振り返ってみると、あの時のプレッシャーは、必ずしも「正しい教え」ではなかったと感じています。実際、私はその後7回転職していますが、3年も待たずに動いたことを、毎回「やっと辞められた」と、ホッとした気持ちで受け止めてきました。後悔したことは一度もありません。

もしあなたが今、「3年は働くべきなのに、辞めたい自分はおかしいのでは」と悩んでいるなら、まずその罪悪感を少し脇に置いてみてください。この記事では、最新の調査データをもとに、「とりあえず3年」という考え方が今どれだけ現実と合っているのか、そして早期に動くかどうかをどう判断すればいいのかを、一緒に整理していきます。


目次

「定年まで働くつもり」は、もう少数派になっている

まず、驚くかもしれない数字からお伝えします。

パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」が2026年7月に実施した調査(就活中の大学生と、新卒時の就活経験を持つ若手社会人あわせて812人が回答)によると、「定年まで勤める」と回答した大学生は15.3%、若手社会人は6.3%でした。

調査を実施したパーソルキャリア自身が、この結果について「大学生の8割超、若手社会人の9割超は、新卒入社の会社で定年まで勤めることを前提としていない」とまとめています。

つまり、「転職前提で入社する」のは特別なことでも、後ろめたいことでもなく、むしろ多数派の感覚になりつつあるということです。

働き始めると、さらに想定期間は短くなる

同じ調査で、何年働く想定でファーストキャリアを選んだかを聞くと、大学生は「5年以上(定年までを除く)」、若手社会人は「3〜5年」が最多でした。

注目したいのは、働く想定期間が3年未満だった若手社会人は39.0%で、大学生(17.2%)の約2.2倍だったことです。実際に働き始めた人のほうが、短い期間を想定して入社していた傾向が見えます。

別の調査でも同じ傾向が出ています。キャリアSNSを運営するYOUTRUSTが2025年10月に発表した調査(全国1,705名が対象)では、1社目で何年勤務したいかを聞いたところ、新社会人(23〜25卒)の約8割が「5年以内」に転職する意向を持っていました。就活学生(26・27卒)の約5割から、大きく増加しています。

さらにこの調査では、「〜20年」「〜30年」という長期勤続を望む回答が、就活学生・新社会人のいずれも0%でした。「定年まで働く」と答えたのは新社会人で3.5%、就活学生で14.5%です。

転職を前提に就職活動をしていた人は、就活学生で63.7%、新社会人で70.1%。理由のトップは、どちらの層でも「スキル・キャリアアップ」でした。

ただし、「意識」と「実際の離職」は別の話

一方で、厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」(令和4年3月卒業者)を見ると、大卒者の3年以内離職率は33.8%でした。これは長年ほぼ一定の水準で、「大卒の3人に1人は3年以内に辞めている」という状態は、ここ十数年変わっていません。

つまり、「意識としては8〜9割が転職前提」だが「実際に3年以内に辞めるのは3人に1人程度」というのが、今の実態に近い姿です。

「転職前提で入社する」ことと「実際にすぐ辞める」ことは、必ずしもイコールではありません。多くの人は「いつか転職する」と思いながらも、まずは今の会社で経験を積む、という選択をしているわけです。

実際、doda調査では若手社会人の約4割が「実際に働く期間は想定より長い(長くなる予定)」と回答しており、その理由として職場の人間関係や仕事内容への満足度の高さが挙がっています。

「3年は働け」という言葉の前提

ここで一つ、当時の私が言われた「3年も辛抱出来ないやつが他所で務まるか」という言葉に戻ってみます。

この考え方は、終身雇用や年功序列が当たり前だった時代の価値観がベースになっていると感じます。今、就活生も若手社会人も、会社を「一生所属する場所」ではなく「キャリアを積む通過点」として捉え始めています。

この前提のズレに気づかないまま、「3年は働け」という言葉だけを鵜呑みにしてしまうと、私のように無理に居続けて消耗する時期が長引いてしまうかもしれません。


「早期に動いてもいい」かどうかを判断するための考え方

とはいえ、「みんな転職前提だから、すぐ辞めていい」という単純な話でもありません。ここで大事なのは、「なぜ辞めたいのか」を一度自分の中で整理することです。

私自身の経験を振り返ると、「石の上にも三年」に縛られていた頃は、辞めたい理由を自分でもうまく言葉にできていませんでした。ただ漠然と「合わない」「しんどい」と感じているだけで、それが「仕事内容」なのか「人間関係」なのか「働き方」なのか、はっきりさせられていなかったんです。だからこそ、周りの「3年は我慢しろ」という言葉に押し流されてしまいました。

もし今、あなたが早期に動くかどうか悩んでいるなら、次のような視点で整理してみることをおすすめします。

①「合わない理由」が、時間が経てば変わりうるものかどうか

たとえば「まだ仕事に慣れていないから辛い」というのは、経験を積めば変わる可能性があります。一方で「会社の価値観そのものが合わない」「人間関係の構造が変わらない」といった、時間では解決しにくい理由もあります。

私の場合、最終的に転職を重ねる中で気づいたのは、どの職場でも続かなかった主な原因が「人間関係」だったということでした。仕事内容よりも、そこにある空気や関係性が自分に合っているかどうかのほうが、私にとってはずっと重要だったんです。

関連記事:「仕事は好きなのに『あの人』が限界で辞めたい|人間関係だけで辞めていい理由」

② 今の環境で「得られるもの」が残っているかどうか

早期に動くこと自体は悪いことではありませんが、「今の会社でこれ以上得られるスキルや経験がない」と感じているのか、それとも「まだ学べることがあるけれど、しんどさが先に立っている」のかは、分けて考える価値があります。前者であれば動くタイミングかもしれませんし、後者であれば、もう少し踏ん張る意味がある場合もあります。

③ 心身の状態がどれくらい追い詰められているか

これは何より優先してほしいポイントです。「まだ考える余裕がある」状態と、「もう限界に近い」状態では、判断の仕方がまったく変わってきます。

もし今、眠れない、食欲がない、涙が止まらないといったサインが出ているなら、キャリアの損得を考えるより先に、まず休むこと、誰かに相談することを優先してください。これは「甘え」ではなく、判断力そのものを守るための最初のステップです。

私自身、当時は「3年我慢できないのは根性がないから」と思い込んでいましたが、今振り返れば、あれは根性の問題ではなく、単に自分に合わない環境だっただけなんだと思います。合わない環境に耐える時間を「我慢強さ」として評価する必要はありません。


早期に動くと決めたら、次に何をすればいいか

「このままここにいても、状況は変わらなさそうだ」と感じたなら、次に考えたいのは「どう動くか」です。ここで大事なのは、勢いだけで辞めるのではなく、次のキャリアにつながる準備を並行して進めることです。

① 自分が積んできたものを、一度棚卸しする

たとえ短い期間でも、仕事の中で身についたスキルや経験は必ずあります。何ができるようになったか、何が向いていて何が向いていなかったかを、紙に書き出してみるだけでも、次のキャリアの方向性が見えやすくなります。

第二新卒や早期離職者の転職支援では、この「短期間で何を得たか」をどう説明するかが、選考でとても重視されるポイントになります。

② 一人で抱えず、転職のプロに相談してみる

早期離職に不安を感じる人ほど、「こんな短期間で辞めた自分は、次の転職で不利になるのでは」と一人で悩みがちです。ですが、第二新卒や若手向けの転職エージェントは、こうした短期離職者のサポート実績を数多く持っています。

離職理由をどう伝えるか、次のキャリアでどんな軸を持つべきかは、自分だけで考えるよりも、専門家に一度整理してもらったほうが、視野が広がることが多いです。

関連記事:「入社1〜2年目で辞めたい|第二新卒として動く判断と準備」

③ 「転職前提」だからこそ、スキルアップも視野に入れる

転職を前提にキャリアを考えるなら、次の職場でより選択肢を広げられるよう、今のうちからスキルを積んでおく視点も持っておきたいところです。資格取得やオンライン講座など、今の仕事と並行してできる小さな一歩から始めてみるのも一つの方法です。

関連記事:「辞めた後の選択肢|転職・スキルアップ・休養のリアルな進め方」

こうした準備は、「今すぐ辞める・辞めない」の判断を焦らせるものではありません。むしろ、次の一手を具体的に描けるようになると、「辞めたいのに動けない」という宙ぶらりんな状態から、少しずつ抜け出しやすくなります。


よくある不安・Q&A

Q. 早期離職すると、転職で本当に不利になりますか?

一概には言えません。厚生労働省のデータでも大卒の3人に1人は3年以内に離職しており、転職市場では珍しいことではなくなっています。ただし、採用担当者が「またすぐ辞めるのでは」と気にする可能性はゼロではありません。離職理由を、感情論ではなく「次にどう活かしたいか」という前向きな言葉で説明できるかどうかが、判断を分けるポイントになりやすいです。

Q. 面接で「転職前提で入社しました」と言ってもいいのでしょうか?

状況によります。正直に伝えることが誠実さとして評価される場面もありますが、企業によっては「定着してほしい」という思いが強いところもあります。「転職前提だった」という事実そのものより、「その会社で何を得て、次にどう活かそうとしているか」を語れるかどうかのほうが重要視されやすい、というのが一般的な傾向です。

Q. 試用期間中でも辞められますか?

試用期間中であっても労働契約は成立しているため、労働基準法上の保護を受けられます。労働者側からの退職については、期間の定めのない雇用契約であれば、民法上は退職の申し入れから原則2週間で契約が終了するとされています(民法第627条)。ただし、就業規則との関係については解釈が分かれる場合もあるため、不安な場合は労働局や弁護士など、専門家に確認することをおすすめします。

Q. 「3年は働け」という言葉は、もう気にしなくていいのでしょうか?

完全に無視していいとは言い切れません。業界や職種によっては、一定期間働くことで得られる経験や信用があるのも事実です。ただ、「3年」という数字自体に絶対的な根拠があるわけではなく、今の時代、就活学生の63.7%、新社会人の70.1%が転職を前提に就職活動をしているという事実も、判断材料の一つとして知っておいて損はないはずです。

Q. 上司に「辞めます」と言い出せません。

その怖さは、私も7回転職しても毎回同じでした。切り出し方や、引き止められたときの返し方については、こちらの記事でまとめています。

関連記事:「退職を言い出せない・怖いときの対処法|20代の私が『嘘』で逃げた話」


まとめ:焦らなくていい。でも、動く準備は今日から始められる

「3年は働くべき」という言葉に縛られて動けずにいるなら、まずはその前提そのものが、今の時代とは少しずれてきていることを知ってほしいと思います。大学生の8割超、若手社会人の9割超が「定年まで勤めること」を前提としていない今、早期に動くこと自体は、決して特別でも、根性がないことでもありません。

私自身、20代の頃は「3年我慢できない自分はダメなんじゃないか」と思い込んでいましたが、今なら言えます。あの時、3年を待たずに動いたことを、後悔したことは一度もありません。

もちろん、心身が限界に近いなら、まずは休むこと、誰かに相談することを最優先してください。そうでなければ、焦って辞める必要はありません。ただ、「動くかもしれない」という前提で、自分のスキルを棚卸ししたり、転職のプロに一度相談してみたりすることは、今日からでも始められます。

「とりあえず3年」に縛られるのではなく、「自分にとって、今どう動くのが一番いいか」を、あなた自身の基準で考えてみてください。


この記事は、運営者ポン太の実体験をもとに書いています。法律や制度に関する内容は執筆時点の情報であり、個別のケースについては専門家や公的機関にご確認ください。また、当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

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この記事を書いた人

やめどき研究所 運営者。HSP・内向型の40代。不動産営業・運送・自動車工場など7回の転職を経験。3年前に適応障害の診断を受け、無理して合わせない働き方を模索中。「辞めたいのに辞められない人」の最初の一歩を応援します。

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